虹色シンデレラ

「俺と虹子は昔からの友達だ。それについて哲翔にとやかく言われる筋合いはないと思うぞ」

「祐介が近づくと虹子が混乱するって言っているんだ」

「だから、それがそもそもおかしいんだって。虹子が混乱しているのは別の原因だろう？人のせいにするな」


きっと俺以外の人間の前では見せることのないであろう強気な態度。

これが、いつも控えめで、優しくて、好青年そのものの祐介の本性だ。


「人のせいにする前に、咲良とのことに決着をつけるんだな」

馬鹿にしたような言い方。

出来るものならやってみろと言われている気がした。


俺はグラスに残ったビールを一気に開けた。

「なあ祐介。お前、虹子が好きなのか？」