虹色シンデレラ
「何かあったの?」
「う、うん」

咲良も薄々気付いている。
察しのいい奴だから仕方ないか。

「なあ咲良、話があるんだ」
俺は思いきって口火を切った。

決して勢いで言う訳ではない。
ばあさんから結婚の話しをされてから10日。
ずっと考えてきた。
もう俺にはこれしか道が残っていない。

「何なの?」
なかなか次の言葉が出ない俺に、咲良が聞く。

「うん」
でもいざとなると、なかなか口にできない。
< 31 / 579 >

この作品をシェア

pagetop