虹色シンデレラ
「連絡しておいたから、お茶の用意ぐらいはしてあるはずだ」

迷うことなくキッチンに向かい、冷蔵庫やストッカーを物色する哲翔さん。

確かに、きれいに掃除されていてモデルルームみたいな室内に、コーヒーやお茶の準備がしてある。


「何か飲むか?」

自分のコーヒーを入れながら、私にも用意してくれる気みたい。


「近くのハーブ園で取れたカモミールティーがあるぞ。淹れてやろうか?」

ええ。

「哲翔さんが?」

「ああ。俺だって紅茶くらい入れられる」

「へー、哲翔さんってハーブティーなんて飲むのね」


「いや、俺は飲まないけれど・・・女子は好きだろう?」

まあ、そうだけど。
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