虹色シンデレラ
別荘裏の遊歩道は思いのほか険しくて、少し歩いただけで息が切れてしまった。


「大丈夫か」

哲翔さんが気にしてくれる。

「最近動いてないから、体が鈍ったみたい」

大学の行き帰りも車で、電車に乗ることもなくなり歩くことが極端に少なくなった。

「運動不足なら一緒にジムに行くか」

ジムねー。

お金をかけて運動するっていう感覚がいまいちわからない。


「まずは高宮邸の広いお庭でも散歩してみるわ」

私にはそのほうが似合っている。

それに、哲翔さんが通うジムは高級スポーツクラブ。

咲良さんもご学友達たちもたくさんいるらしいから、ジムに行けば咲良さんにも会うかもしれない。

ちょっと気が重い。
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