虹色シンデレラ
相手も私に気付いたようで、立ち上がった。


「すみません。お待たせしました」

ちょっと早足になって駆け寄る。


「いいえ、お呼びしたのは私ですから」

そう言って頭を下げる美女。


とりあえず私も席につき、オレンジジュースを注文。


「お体大丈夫ですか?」

「ええ、ありがとうございます」

言葉は丁寧だけど、笑顔はない。


「初めまして、岡本虹子です」

今更だけど挨拶をしてみる。

「知ってます。哲翔の許嫁さん」

自分は名乗ることもなく、ちょっと馬鹿にしたような口調。
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