虹色シンデレラ
会話という会話もないまま、車に乗せられた。


私は叱られるようなことをしたんだろうか?

心配をかけたのは確か。

でも、目の前で元カノと消えていった哲翔さんは正しいと言えるの?

そして、逃げ出してしまった私を探し出してくれたのは祐介くん。

本当は、許嫁の哲翔さんに来てもらいたかった。


「ひどい顔してるぞ」

うん。知ってる。

泣いてしまったから。


「心配かけて、ごめんなさい」

「謝るくらいなら最初からするな」

ごもっともです。


私は頭を上げることが出来ないまま、高宮邸に帰宅することになった。
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