虹色シンデレラ
「すまなかった」

私の肩に手を回し、ギュッと抱きしめる。


たくましくて、暖かくて、石けんの匂い。


「もう、どこにも行かないで」

「ああ」

「約束よ」

そう言って顔を上げた瞬間、


チュッ。

唇がぶつかった。



「本当にごめん」

「ウン」

もういいよ。

「お詫びに今日は虹子につきあうよ。どこに行きたい?」

「うーん」
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