虹色シンデレラ
腕を引かれながら繁華街を抜けると、川沿いの小さな公園に出た。


ここって、

桜がきれいで有名な水辺公園。

毎年花びらが川面を覆って、写真を撮る人で大渋滞する場所。


「今年のお花見には来れないわね」

特別なことをするわけでもないけれど、春になると未来や友達と寄り道ついでのお花見をしていた。

小さな楽しみだった。


「今年も来ればいいさ」

「・・・」

祐介くんは簡単に言うけれど、

「未来と出かけるって言えばいい。俺もつきあうぞ」

「本気?」

「ああ」

その強気の性格、半分でもいいからほしい。

そうすればもっと気楽になれるのに。
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