虹色シンデレラ
「何してるんだ」

お怒りモードの哲翔が、近づいてくる。


「ごめん。今行くから」


「俺が送って行くのに、わざわざ来るなよ」

酔っ払った祐介くんが絡んでいく。

「だから来たんだよ」

私の肩を引き寄せる哲翔。


祐介くんは、離れて行った私の手を悔しそうに追う。


「祐介、送ろうか?」

「いいよ。一人で帰る」

祐介くんは背を向けて歩き出した。


「おいっ、待てって」

哲翔の声には反応することなく、祐介くんの姿はどんどん小さくなっていった。
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