虹色シンデレラ
「えっ」

声に出てしまった。


そういえば、今日は土曜日。

いつもなら午後から哲翔が出かけていく日。

そんな生活も、もう二ヶ月目に突入している。


「大丈夫なの?」

「ああ、実家に帰ることになったから」

「そう、それは一安心ね」


「なるべく早く帰ってくるから」

「うん」


文句を言う気も、止める気もない。

窮地に立った咲良さんを一人放っておけないのも、哲翔らしいから。
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