虹色シンデレラ
「お母様にでも言いつけろって言うの?」

「ええ」

あっさり肯定された。

はあー。

確かにお父様やお母様が出て行って、咲良さんのおうちと話をつければ解決するのかもしれない。

毎週哲翔が見舞いに行くこともなくなるし、事あるごとに駆けつける必要もなくなる。

でもね、それじゃあ二人に傷が残ってしまう。

哲翔は小学校からの幼なじみを失ってしまうし、咲良さんの心も壊れたまま。


「お母様には言わないでね。二人の関係が続いているわけではないから」

「ええ」

不快そうな乃梨子さん。


私はなぜ、彼と彼の元カノをかばっているんだろう。


「フフフ。まるでピエロね」

「本当に」

乃梨子さん、怒ってる?

「菅原さんにも止められていますので余計な事は申しませんが、虹子様に何かありましたら黙っておりませんので」

うわ、怖。
< 401 / 579 >

この作品をシェア

pagetop