虹色シンデレラ
「ゆりあ、本当に大丈夫なのか?」

哲翔さんが念を押す。

「ええ。なんともありません」

「なんともないって、足くじいてるだろう」

「だから、それ以外は元気ですって意味」

「ふーん」


なんだろう、この打ち解けた感じ。

考えてみれば、哲翔が公務以外で同世代の女子と話しているのを初めて見た。

こんな顔するのね。

それとも、ゆりあさんが特別?


「私は本当に大丈夫ですから」

「念のため、医者に診てもらえ」

「えー」

プッと頬を膨らませるゆりあさんが、かわいい。


「おまえ、いくつだよ」

哲翔さんはあきれてる。
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