虹色シンデレラ
チラチラと時計を気にしながら、それでも心配そうにゆりあさんを見ていた哲翔。

「悪いけど、俺は約束があるから出かけさせてもらうよ。病院へ送るように菅原に頼んであるから、治るまではジッとしてるんだぞ」

ゆりあさんに向けた言葉。


「ええ、わかりましたから。どうぞ行ってください」

「言われなくても行くよ」


こんなことを遠慮なく言える関係が二人の間にはあるみたい。


「行ってらっしゃい」

私も、部屋を出て行く哲翔に声をかけた。
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