虹色シンデレラ
「咲良とは小中の同級生なんです」


「親しいんですか?」

つい、警戒してしまう。


「友人の一人です。同級生から、今日が咲良の退院だと聞いたので」

「ええ」

その通り。



私もゆりあさんも黙り込んでしまった。



今口を開けば、誰も教えてくれない咲良さん事を聞き出せるかもしれない。


何を考えているのか、

どうしたいのか、

哲翔を愛しているのか、

私を憎んでいるのか、

あげればきりがない。

でも、聞けない。



「哲翔さんを信じてあげてください。咲良は今、病気だから」

冷めてしまった紅茶を口に運びながら、ゆりあさんは辛そうな顔をした。

「はい」

としか、私は答えられない。
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