虹色シンデレラ
機嫌の悪そうなお母様には声をかけず、私は哲翔について離れに向かった。


「困ったな」

「そうね」

こんなに大々的に顔まで出てしまえば、『困った』以外の言葉がない。


「楽しみにしてたのにな」

「はぁ?」

「さすがに、週末は出かけられないぞ」

そんなことはわかっているけれど、今それを言う?


「それより、大丈夫なの?」

「何が?」

何がって、こんな記事が出たら困るんじゃないかと・・・

「記事のことは気にするな。そのうち収まるさ」


さすが、慣れたものね。
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