虹色シンデレラ
「しっかりしなさい。あなたは高宮の跡取りなのよ」

女性特有の甲高い声は、お母様が怒っている証拠。

それなのに、

ククク。

聞こえて来たのは哲翔の笑い声。


「跡取りは僕とは限りませんよ。同じ遺伝子を持つ者がもう一人いますからね」

意地悪い声。


一瞬の静寂の後、

パンッ。

乾いた破裂音が響いた。


きっと、お母様が哲翔をぶったのね。
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