虹色シンデレラ
「事実じゃないですか。実際、僕よりも祐介の方に追い風が吹いてますしね」

「あなた、本気で言っているの?」

「ええ。母さんもそう思っているでしょう?いつもニコニコ体裁をつくろって仲のいい家族を演じるなんて、とんだ茶番です」


なんて言いぐさだろう。

今、哲翔が辛い立場にいるのはわかっている。

でも、苦しんでいるのはお母様も一緒。

それがわからない哲翔じゃないはずなのに、

それだけ余裕がないってことだろうか。


「いい加減にしなさい。あなたのそんな態度が、廻りの者を遠ざけているって、わからないの?」

「わかりません」

「哲翔っ」

ドアの前の私がビクッとしてしまうほどの鋭い声。


すごい親子げんか。
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