虹色シンデレラ
「去年の今頃はおじいさまの様態が悪くて、高宮の行く末を案じていたの」

おばあさまの懐かしそうな顔。

「それで、私との縁談を急がれたんですよね」

「そうよ。もしもの時のために、高宮の後継者を決めておきたかった」

高宮の後継者を決めることと、哲翔の結婚がすぐには結びつかないんだけれど・・・


「ねえ虹子さん。私がお嫁に来たときいくつだったと思う?」

「え?」

「17歳だったのよ」

「じゅ、17歳ですか?」

「そうよ」


時代が違うとは言え、随分早婚。


「高宮家の嫁に行くんだと言われ続けて育ったから、不思議に思ったこともなかったわ。それなりに幸せだったし」

それなりにって。

「でもね、英哲さんが小学校へ上がる日に『実は外に娘がいる。認知するから』って言われたの」

「えええ」

そんな・・・
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