虹色シンデレラ

今は高宮家に関わる人みんなが苦しい思いをしている。

そんなときに、１人逃げ出すわけにはいかない。

おばあさまだってわかってくださっていると思っていたのに・・・


「実家のお父様がね、一度あなたを戻してほしいって言ってこられたの」

「父が？」

「そうよ。お父様からすれば当然のお話だと思う」

そりゃあ、報道を見ることしかできない父さんには心配なことだろう。

でも、

「私はここを、哲翔の側を離れたくありません」

「虹子さん」

ウルッ。

おばあさまが目を潤ませる。