虹色シンデレラ
「今、哲翔の留学話が出ているの」

「留学ですか?」

「そう、報道のほとぼりが冷めるまで海外へ行かせようってこと」

ふーん。

「結婚前のあなたを同行させるわけにはいかない。この家に残ってもあなたは1人になるのよ」

だから、実家に帰ったらどうだってことらしい。


「おばあさま、私は一人じゃありません。おじいさまもおばあさまも、お父様もお母様もいらっしゃるじゃないですか。それに、これは運命なんです」


「それでいいの?」

「はい」


どんな結末が待っていようともとことんつきあってみようと、今は思える。



その後、美味しい紅茶をおかわりし、哲翔の小さい頃の話を聞いて、私はちょっと幸せな気分になれた。
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