虹色シンデレラ
「明後日までいるんでしょ」

台所から母さんが顔を覗かせ、

「いっそのこと帰ってくれば?」

弟の康生がゲームをしながら口を挟む。


「何言ってるのよ」

ただでさえ、父さんに何か言われるんじゃないかとドキドキしているのに。



「あの、父さん」

「ん?」

父さんはいつもと変わらない優しい顔。

「私・・・」

この家に帰りたいけれど、今は帰れない

そう言いたくて言葉にできない。


「いいよ、分かっている。せっかく帰ってきたんだ。ゆっくりして疲れをとりなさい」

「はい」
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