虹色シンデレラ
一通りお屋敷の中を見て回り、「俺の部屋に行こうか?」と誘ってもらったけれど、お庭が見てみたいと外へ出た。

「同い年?」
大きな池のコイに餌をやりながら聞く哲翔さん。

「そうらしいですね」

「まさか本気で結婚なんて考えてないよな」
「ええ」

「許婚なんていい迷惑だよな」
「ええ、まあ」

「じゃあ何でここに来たの?」

えっ。

「断ってくれればよかったのに」
投げやりなつぶやき。
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