虹色シンデレラ
なるほど、そういう事情だから俺は病院に行くなって止められるわけだ。


「今は誰がついているんだ?」

「ご実家のお母様と奥様と乃梨子が付き添っております」

「母さんも行っているのか?」

「はい大奥様のご指示で。大学病院の女性病棟の特別室を手配いたしました。ですので、哲翔様の面会できません」

「そうか。仕方ないな」

今はそっとしておいた方がいいのかもしれない。


「クソッ」

つい口を出てしまった。

いつもなら、口うるさく注意する菅原も今日は何も言わない。


「クソッ、クソッ」

地団駄を踏んで、近くのクッションを床に投げつける。


こんな癇癪を起こしたのはいつぶりだろう。
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