虹色シンデレラ
「それから」

厳しい顔のまま、菅原が俺を見る。

「何だ、まだ何かあるのか?」


「虹子様が助けられたとき、多くの通行人がいたようです。もちろんおかげで助かったわけですが、中には写真を撮っていた方もあったようでして」

「外に漏れたのか?」

「はい。お名前から素性が分かってしまいまして、ネット上に写真や書き込みが上がっております」

「止められないのか?」

「努力はいたしますが、すべてを止めることは難しいと思われます」

そりゃあそうだろうな。

ただでさえ高宮家は今注目の的だから。


「できるだけのことをしてくれ。頼む」

珍しく頭を下げてしまった。

「哲翔様」

菅原も驚いている。
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