虹色シンデレラ
「そこで、お父様とも相談したんだけれど、1つ手を打とうと思うの」

「手を打つ?」

「そう。そもそも今回の報道は『今話題の高宮哲翔の婚約者が襲われた』ってところがポイントな訳よね」

「ええ」

確かに、一般の女性であれば報道されることもなかったはず。


「だからね、今回の被害者は虹子さんではなかったということで収束をはかろうと思うの」

そんなこと、

「できるんですか?」

今更私ではありませんでしたと言ったところで、信じてもらえるだろうか。


「そこでひとつ、虹子さんに了解してもらいたいことがあってね」

「了解ですか?」

「そう」

真っ直ぐに、私を見つめるお母様。
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