虹色シンデレラ
「なぜだよ」

何でこんなことするんだ。

「哲翔、お前には分からないさ」

「ああ、分からないね。自分の惚れた女を傷つけようとする奴の気持ちなんて」

「・・・」

ギリッと奥歯を噛む音がした。


この騒動を調べれば調べるだけ、祐介の顔がちらつくようになった。

そのたびに、どうか間違いであってくれとどれだけ願ったことか。


「祐介。お前、趣味悪いぞ。何で虹子なんだよ」

「何でだろうな」

まるで人ごとみたいな口調。


「ここまでやったら、お前はもう終わりだぞ」

「分かっている」

「じゃあどうしてっ」


バンッ。

思わずテーブルを叩いてしまった。
< 546 / 579 >

この作品をシェア

pagetop