虹色シンデレラ
「お帰り」

「ただいま」

1ヶ月ぶりに再会した哲翔。


手にしていた荷物を投げ出し、私は哲翔に飛びついた。



「会いたかった」

「うん」

「ずっと、会いたかった」

「俺も、虹子に会いたかった」


ギュッと痛いくらい抱きしめられ、私も右手を回す。


「寂しかった」

「うん」

「怖かったよー」

哲翔の肩口に顔を埋め、事件以来初めて弱音を吐いた。


「もう、大丈夫だから」

優しい声。


背中をトントンする手が暖かくて、

この1ヶ月の緊張がほどけていった。
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