虹色シンデレラ
「虹子、泣くな」

哲翔が肩に手をかける。

「泣いてないもん」

強がってみたけれど、涙は止まらない。


「なあ虹子、2年だけ待ってくれ。その間に俺は一人前の社会人になる。高宮の後継者として、誰にも何も言わせない男になるから」

「哲翔ー」

「守ってやれなくて、すまない」

「イヤだ。イヤだよ」

「ごめんな、虹子」

哲翔の手が震えている。
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