虹色シンデレラ
「ねえ哲翔、私は普通の家で育ったから宮家の決まり事も分かりません。もちろん勉強しようとは思うけれど、譲れない部分も出てくると思うの」

「たとえば?」

「そうねえ、将来子供ができたら自分の手で育てたい。いつも目の届くところにいて、悪いことすれば叱って、それでも言うことを聞かなければ、『お父さんに叱ってもらいますよ』なんて、当たり前の親子でいたい」

「ふーん」

「それに、私ってずぼらだし、お行儀が悪いし、哲翔とは正反対じゃない。それでもいいの?」

「新鮮で面白い」

そんなこと言っていられるのも初めのうちだけだと思うけれど。

「他には?」

「あんまりヤキモチを焼かないでください」

「それは虹子次第だ」

もー。
そこが一番心配。



「とにかく、2年間頑張っておいで。その間に俺も色々ケジメをつけるから」

「うん」

「帰ってきたら、結婚しよう」

「はい」
< 576 / 579 >

この作品をシェア

pagetop