虹色シンデレラ
「哲翔、朝食食べる？」
「ああ」

冷蔵庫からベーコンと卵を出して手際よく準備をする彼女は、長野咲良（ながのさら）２２歳。
１７０センチの長身に、長い手足。
余分な物のない引き締まった体は、まさにモデル体型。と言うより、本当にモデルなんだ。
今は大学に通いながら、読者モデルとして活動している。
俺と咲良は同い年で、小学校からの知り合い。
高校時代からつきあい始めて今に至る。

「はい。どうぞ」

レタスとトマトのサラダにスクランブルエッグ、カリカリに焼いたベーコン。

「トマトジュースでいい？」
「いや、コーヒーをくれ」
「はい」

いつも変わらない俺の朝食を咲良は分かっていてくれる。

「ああそうだ。ベーコンとオリーブオイルが切れそうよ」

朝食に欠かせないベーコンと、マヨネーズやドレッシングが嫌いな俺がサラダにかけるオリーブオイルは高宮家御用達の物で、その辺のスーパーには売っていない。

「家から持ってきてもらうよ」
「お願いします。それじゃあ私もいただきます」

手を合わせて、咲良もサラダをつつきだした。
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