虹色シンデレラ
新しい生活

軽い気持ち

1ヶ月ほどの慌ただしい準備で、私は宮家へ引越した。

用意されたのはベットルームと居間の2部屋。
母屋からは廊下で繋がった離れの一角に、
まだ結婚前だからと、私専用の部屋を用意してもらった。

「何か足りないものがあればおっしゃってください」
私専属の侍女、乃梨子(のりこ)さんが声をかけた。

「ありがとうございます」
何気なく出た言葉に、
「はぁー」
乃梨子さんの溜息。

「私は使用人ですので、敬語はおやめください」

ああ、
「ごめんなさい。つい」

でもね、乃梨子さんはおそらく30歳前半くらい。
ちょっとキツそうだけど、スタイルのいい綺麗なお姉さん。
そんな人をいきなり呼び捨てには出来ない。
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