虹色シンデレラ
「虹子さん、あまり進まないわね」
おばあさまに言われ、慌てて箸を進める。

「いいのよ。無理しなくても」
「はい」

今日はお父様もお母様もお仕事で、おばあさまと2人の夕食。
おばあさまも本当はお爺様の側にいたいはずなのに、気を遣ってくださっている。

「週末には哲翔も帰ってきますからね」
「はい」

ああそう言えば、哲翔さん。
ここに越して来てから一度も会っていない。

「こちらに戻ってみえるんですよね?」
「ええ。マンションもしばらく借りるみたいだけれど、帰ってくるわ」
「そうですか」
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