虹色シンデレラ
「ほら虹子、マルゲリータ最後の一切れだよ」
「ああっ、食べる」
咄嗟に手が出ていた。

お屋敷の食事は美味しいけれど、熱々の物だったり、みんなで分けあう様なものは出てこない。
だからかなここ数日無性にピザが食べたかった。

「ねえ、虹子はどうする?」
「え、何?」
ピザに夢中になっていて聞いてなかった。

「講義が終わったらカラオケに行くんだけど、虹子も行く?」
カラオケかぁ、行きたいな。

でも・・・

「駅前のカラオケがリニューアルして綺麗になったらしいからみんなで行くんだけど」

へーそうなんだ。
でも・・・

「無理しなくても良いよ」
迷っているのが未来には分かってしまったみたい。

「いいよ、行く。長い時間は無理だけど、少しなら」
乃梨子さんに電話すれば大丈夫だと思う。
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