虹色シンデレラ
「本当に軽い気持ちだったの。やっと自由な時間が出来て、調子に乗ってしまったみたい。ごめんなさい」

色々文句もあるけれど、私の行動のせいでたくさんの人に迷惑をかけてしまったのは確かで、謝るべきだと思えた。

「俺はいいよ。ただ、母さんから小言を言われると思う。覚悟しておくんだな」

朝食に向かいながら、2人で話した。
初めてまともな会話をしたような気がする。


「おはようございます」

ダイニングに入ると、すでにお父様もお母様もおばあさまも揃っていた。
とても冷たい目をしたお母様。

「虹子さん」
席に着くなり名前を呼ばれ、その後説教が始まった。

なぜ勝手に姿を消したのか?
どうして大学に残って勉強するなんて嘘をついたのか?
夕食に間に合わないなら連絡をしなさい。

厳しく叱責された。
哲翔さんもかばってはくれなかった。

でも、仕方ない。
私が原因だから。
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