帰ってきた、生んで終わりじゃねーのよ
「あのーーT君のお母様ですよね? 」

不意に声を掛けて来たのは同じ学年E君のお母様でした

そこから始まったのはE君ママの息子可愛いトーク

何と、息子可愛さの余りにわざわざ今回の帰省の際に向こうの空港まで飛行機でお迎えに行ったそうで…

うちですか? あー
「人間には帰巣本能がある、1人で帰って来られる平気だ、大丈夫だ」



えーここでE君のご家庭について

E君は三姉妹の後に生まれた待望の男の子です

お母様は某企業でトレーナーとしてお仕事

お父様はこれも某企業で重役

E君は学業優秀

うちとは真逆

「T君は一人っ子なんですって? お母様寂しくない? 」
「いえー仕事仕事でそんな余裕はありませんよー」

ついでに言えば向こうの空港までお迎えに行く経済的な余裕もありません…

「うちは心配で心配で、入学前も行きたくないって土壇場でゴネ出して大変だったのよー」
「あーそれはうちも同じで、だけど男が一度行くって言ったら曲げるなーって」
「えーそれで収まっちゃったの? 私、Eを連れて向こうまで行ってもう一度学校見学をさせて説得したのよー」

E君ママの息子可愛いメーターはもはや針をぶっちぎって空高く飛んでも尚回り続けてるな…

う、うちは教育費以外はそれほどでもない

多分

外見的な可愛さで言えば幼少期の5歳位がマックスだけど、まあそりゃデブりにデブった今も親からしてみりゃ可愛いですよ

あとはまあ、何でもムシャムシャ食べるとことか、それなりに人と上手くやって行かれる性格も可愛いですよ

「うちの子はホント小さくて、性格も子供っぽいしー、だから上手くやって行かれるか今も心配で心配でぇー」

E君ママすげぇな、しかし
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