帰ってきた、生んで終わりじゃねーのよ
まずは本人への意思確認

「塾はどう? 続けられそう? 」
「学校より楽しいから行きたい! 」
「わかった、それなら後期も申し込む」

本人曰く、学校よりも受験を意識している仲間が多くて授業中も騒いだりしないし、講師の説明も分かりやすいので楽しいとのこと

これを受けて、三上は講師の待つ庶民塾の面談室へ

待っていたのは柳原可奈子さんを彷彿とさせる女性講師

「T君のオカーサマー♪ T君は授業中も積極的に手を上げて知っている知識を披露してくれるんですぅー♪ とーっても賢いお子さんですよぉー」

出たー持ち上げ作戦が!

単なる雑学しゃべりたいだけ君を持ち上げて持ち上げてその気にさせたんですね、わかります

「このまま通塾して下さればきっと志望校にも合格間違いなしですよぉー♪ 」

マシンガン営業トークを展開して下さってありがとうございます

もはや私、ここに決めております

授業料が安い、通い易い塾ですから

更に言えば、公立中高一貫はワンチャンス受検
(受験日は全て同じの為、他都立や国立等の他校受験は一切出来ないシステム。全ては都立と公立と国立だけに公平を期すべくそのようになっている)

落ちたら地元中学しかない諭吉百人ちょいの大博打
(私立併願もありですが、うちは私立に行かせる気は一切ナシ)

一世一代の大博打、もはや打つしかないって腹は既に括ってますし

とさっさと入塾を決め、夏期講習最終日のテスト結果が届いたのですが
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