唯斗君はとびきり私だけに甘い
「自覚って何が…?」
「ううん、何でもないよ~
ってあっ、そうだうち遅刻しそうなんだっ!!」
そう言って、私の腕をガチっと掴んだ羽月ちゃんは猛ダッシュで学校の昇降口へと向かった。
「ちょ、羽月ちゃん、どうしたの?!」
「あ、ごめんごめん、でも早くしないと、入学式当日に遅刻しちゃうよ!!」
ん?あ、そうだ今日、入学式だ!また忘れちゃってるっ!!ホント私どじだぁ~

そして、初めて見る昇降口から入り、クラス表を見に行った。もちろん、羽月ちゃんも一緒に。
神崎…神崎…あ、あった!えっと、3組かな?
「あったよ!羽月ちゃん、私はね3組だった!」
「3組…?」
羽月ちゃんが驚いたように、私を見つめる。
「え…、なんかあったの…?」
「いや、違うよ…、私もね….、3組だったの!」
< 5 / 36 >

この作品をシェア

pagetop