この可愛いヤツがオオカミ君だったりするんですが。
恋したら互いを甘んじて受けるべし
梅雨に晴れ間があるように、私の枯れた心にも潤うときがある。
彼氏いない歴、10年。
鈴木 愛月、31歳。
大光商事は理容・美容専売品を販売提供する大手メーカー、私は営業部美容部門のチーフに抜擢されて1週間。
これから私の手腕発揮かと思いきや……
「 え! 妊娠!? あ、そう、おめでとう!」
「 え!! 結婚するの!? やだ、おめでとう!」
「 あ… それは御愁傷様です…… え、長期的に休む? 」
等々…
ある年齢になればめでたい話も悲しい話もあるわけです。
そして彼氏すらいない私は部下となるスタッフ3人から辞表を受け取る。
これでは仕事にならないと課長に人員補充を申し出に行くと、人事課へ行けと言われ行ってみると、そこにヒョロっとした男性がいた。
「 あの、美容部門の鈴木ですが… 」
「 ちょうど良かった、鈴木さんに新人スタッフを紹介するよ 」
「 新人?」
くるりと向き返り私とご対面した彼、ドキドキした。
素直に何かが私の中を駆け巡った。
この子……
「 初めまして、鈴木 壱流と言います。今日付けで移動になりました、よろしくお願いします!」
可愛いー!!
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