この可愛いヤツがオオカミ君だったりするんですが。
10年も恋に縁がないと女を忘れがち。
それが運命なら仕方がない。
見合いでもして恋愛すっ飛ばして結婚とかあり得る。
でも今の私は喉から手が出るのを抑えるくらい、彼に手を出したい。
羞恥心?
そんなの、今は持ち合わせていない。
次に近くに寄られたら……
そうなる前に私自身が危険だと警報を出さなくては。
「 先輩、顔赤いですよ、平気ですか?」
「 や… 」
ち、近づくんじゃなーい!
何が可愛いって?
背の高い彼が私の目線まで合わせて頭を下げて見てくるの。
止まれ、神様にそう言われてるみたいで勝手に止まっちゃう。
それはもう思考から。
だから彼が私の額に触れてきたらさらに赤くなるのは当たり前。
「 うわ、先輩… 熱いっすよ 」
あんたのせいよ、あんたの!
会って早々私を熱くさせないでよ~
にしても… あんたの手気持ちいいね。
「 ん… 」
「 先輩? 」
「 もういいよ、手… 大丈夫 」
「 はい 」
部屋には私と彼だけ。
この密室感がやばいでしょ。