この可愛いヤツがオオカミ君だったりするんですが。
人員は後からまた補充予定。
それまではしばらく二人で営業活動をしろと課長からの通達。
人員はともかく、今の私は正気を保つのが精一杯。
「 鈴木君、取引のある美容室へ挨拶に回るからね 」
「 緊張しますね 」
私も!違う意味で。
「 僕運転しましょうか?」
「 私がするからいいよ 」
運転してれば彼から意識離せるもんね……
なんて、浅はかな思いだった。
助手席にいる彼をさらに近くに感じてしまい落ち着かない。
180度、視界に入る彼が私に話すとき必ず私を見ている。
それがわかるだけにドキドキして、困る。
若い子じゃないんだから、いちいちドキドキしないでよ、ほんとやだ。
私なんで軽自動車?
軽だっていろいろあるのに、狭い!
そして隣が近い!
「 先輩、美容室通りすぎましたけど… 」
「 あ!早く言ってよ~ 」
あんたに気を取られてたぁ
美容室・キュアルームに到着しまず挨拶、そして店の中にあるスタッフルームへ通されてオーナーや店長との話。
そしてこちら側の話、新人で担当になる鈴木を紹介する。
鈴木は意外にも堂々としていて隣にいて嬉しかった。
「 ではまた後日、よろしくお願いします 」
美容室を後にして次の店へと移動する。
「 次は、美容室・KENTね 」
「 K… あの、その美容室ちょっと… 」
「 何?」
何か言いたそうな彼は少し困った顔をしていた。