この可愛いヤツがオオカミ君だったりするんですが。

新人の紹介に来たのになぜか昔話をしている。

それよりも早く切り上げて商品の話をしたいところ。



「 上屋さん、今日はトリートメントの話も… 」

「 買えって?」

「 紹介だけ!とりあえず!」

「 へー 」



私が薦める商品は大抵仕入れてくれる颯人。

でも必ずやることがある。



「 愛月、シャンプー台行け 」



ほらきた。



「 何するんです?」

「 新人は見とけ、今から愛月をシャンプーする、んでそのトリートメント使ってやる 」



やっぱり……



「 え!でもこれサンプルじゃないんですけど、鈴木さんどうすれば… 」

「 いいよ、鈴木君。使って納得しないとダメなオーナーさんだから、待ってて 」

「 愛月 」

「 わかってます!」



あー、来る度にこうだもんなぁ……

鈴木君の前でやるとは。

颯人のシャンプー気持ちいいから意識持ってかれないようにしないと。



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