【短】時をこえて好きだと言うから
「俺も最初はかなり驚いたよ。解除のやり方もわかんなかったし」


少し笑いながらひろくんは言った。


「それから今まで実験して、やっと俺にも少しずつわかってきたんだ」


「どういうこと…?」


「この力を発動させるには『目を閉じること』と『念じること』がキーなんだってわかった」


「他の状況では何も起こらないってこと?」


「そうみたい。解除も同じ状況じゃないとできないし」


「いろいろ決まりがありそうだねー。お父さんとかお母さんには話した?」


「話してないね。だって朱里ちゃんに初めて知られたわけだし」


「あたしが最初!?」


「うん♪それも偶然だし、俺もびっくり。きっとあのとき俺に触ったから…」


「あ、肩!?そんなことで!?」


「よくわかんないけど、それしか考えられないんだよね」


なんだかいろいろなことにドキドキした。


これは本当に単なる偶然!?

……なんてね。
< 10 / 67 >

この作品をシェア

pagetop