命の花が散る頃に。
僕はふと目を覚ました。通信機の時計を見てみると、16時50分を指している。死神は食事はとらなくても平気だけど、睡眠はとらないといけない。
今日は、運良く仕事の10分前には目を覚ました。数年前に仮眠のつもりで寝たら、仕事の時間から大幅に時間が遅れて、目を覚まして慌てて見に行ったことがある。その時は、上司から叱られたものだ。
それ以来、仮眠する時は通信機にあるアラームをセットして、眠っていた。だけど、今回はアラームをセットし忘れていたよう。何ヶ月ぶりに仮眠したのか分からないぐらい仮眠はあまりとった記憶がない。
それだけ仕事がきつい。仮眠をとれるくらい時間が空いている方が珍しかったりする。
僕らの担当区域に死神が1人2人増えたぐらいでは、仕事のきつさは何も変わらない。
僕は立ち上がって校舎を飛び出し、仕事に向かった。