命の花が散る頃に。
『……学校……嫌イ……壊ス』

そう呟いて、麗羅は僕に飛びかかってきた。人型を保っているところをみると、物の怪に成りかかっているようだ。本来の物の怪は人型ではないから。

僕は、咄嗟に麗羅の攻撃を刀で受け止めた。麗羅は、僕と距離をとる。

『オ前……死神……殺ス』

「残念だけど、死神は死なないから」

そう言って、麗羅は僕に襲いかかってきた。僕は、わざと体で麗羅の攻撃を受け止める。僕の血が宙に舞って、返り血を浴びながら麗羅は僕を見ていた。

「……鹿羽 麗羅様。お迎えに参りました」

そう言って刀で麗羅を斬り、霊界へと送る。僕は地面に膝を着いた。

次の瞬間、僕の意識は途切れた。



【チサキside】

僕は仕事で今、アルトが怪奇現象を解決しているという学校の近くに来ていた。

屋上に降り立つと、屋上の真ん中にアルトが倒れている。僕はアルトに近寄り、通信機を操作した。

「……あ、ハヤト」

『ん？どうしたの？』

僕が通信機を取り出したのは、ハヤトに連絡するため。

「どうしよう……アルトが倒れてる」

『大丈夫。死神は死なない。だから、少しそのままで待っててくれない？』

そう言って通信は切られた。僕は黙ってハヤトが来るまで待っていた。
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