命の花が散る頃に。
「え?僕が……ですか?」
霊界の中心部に建つ死神本部の本部長に呼び出されて、僕は本部長室にいた。
「あぁ。これが資料だ」
僕は本部長から資料をもらう。本部長からの依頼は、資料に書かれている子を亡くなるまで側で見守ることだった。
「……分かりました。」
僕は礼をし、部屋を後にする。僕の普段いる小さな部屋に入った。その部屋には、僕を含めて2人しかいない。
「……ハヤト……僕、明日から現世に在住して仕事をすることになった。でも、仕事は出来る範囲で続ける」
そう言うと、ハヤトは「分かった。無理はするなよ」と微笑んだ。
「……あぁ」
ハヤトの言葉に僕はうなずく。そして「増援が必要なら言って。駆けつけるから」と言って通信機を見せた。
「……分かった」
僕はこの日、現世に旅立った。