命の花が散る頃に。



「えっと…黒沢(くろさわ) 優斗と言います。よろしくお願いします」

翌日。僕はターゲットのいる中学校に転校生として転がり込んだ。

先生に促され、僕は空いている席に座った。僕の隣は、今回のターゲットである立花 千咲。

「……さっきも自己紹介をしたけど、僕は黒沢 優斗。ファンタジーが大好きなんだ。よろしくね」

僕が微笑むと、千咲は目を輝かせながら「僕もファンタジーが大好きだよ!僕は立花 千咲!よろしく~」と明るい笑顔を見せた。

「千咲、体育は出れそう?」

1人の男子が心配そうな顔で近寄ってくる。千咲は「……ごめん。今日も無理そう……」と暗い顔で言った。

僕は何も知らないフリをして首を傾げた。もちろん、千咲のことは事前に調べているから知ってるよ。だけど、先生から何も聞いてないから、知ってるとは言えない。

「…先生から話は聞いていないの?」

僕はここで嘘をついても仕方ないから正直に「聞いていないよ」と答えた。

「そっか……僕、15歳までしか生きられないんだよね。生まれつき、持病があって……だから、クラスの皆には僕のことを話してあるんだ」

千咲は悲しそうに微笑んだ。
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