今夜,君の部屋にいく






「…あの」



声がして、

顔を上げる。



びっくりしすぎで、

声が出るまで時間がかかった。



「お前、おっせーよ。

何時間待たせるつもりだ??」



なんて、照れ隠し。



来てくれるなんて、

来いって言ったくせに

思っていなかった。



彼女は、

来てくれた。



なにか言いたそうな彼女のカバンをとり、

おれたちは

ゆっくり歩き始めた。



















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