いつわりツインズ【短編】
そのとき。
みーちゃんがわざとらしく、ぽんと手を叩いた。
「あー!私職員会議あるんだった!紗帆ごめん、私が戻るまでいておいてくれる?」
「あ、いいけど…あんまり遅くならないでね?」
放課後の宿命、職員会議。
それに向かうみーちゃんは一体どこまで聞いているのか、それとも聞いてなんていないのか。
分からない速度でありがとう!と言われ、ピシャリと扉が閉まり。
私と尾野くんが、2人の世界になった。