いつわりツインズ【短編】
「いいよ、ゆっくりで。…話せることなら、なんでも聞くし。」
ふわっと微笑む彼は、一層かっこよくて。
気付けば私は口を割っていた。
「有村先生は、近所のお姉さんで。昔からの知り合いで、息苦しくなっちゃった時はいつもここに来るの。
私、さほりほでいることに疲れちゃうことがあって。」
「……うん。知ってたよ、ずっと。」
その言葉に、正直愛想笑いさえも凍りついた気分になった。
メニュー