いつわりツインズ【短編】
尾野くんは少し考えるように空を見上げたあと、パッと輝くような笑顔で私を見た。
「協力するよ。綿谷さんが綿谷さんらしくいられるように。
…でも。
綿谷さんが可愛くないなんてことないし、それに…。
僕は見間違えないよ、絶対に。」
いつも少ししか話せなくて、それが少し悲しくて。
けれど、そんな彼と一番話せた今日、そんなことまで言ってもらえて。
嬉しくて、協力してくれることが心強くて。
私は、すぐに頷いた。